
河童対談 第❸回
中林 舞 Mai Nakabayashi

Kenichi Tani谷賢一
谷賢一(以下、谷):お疲れ様でしたー!
中林舞(以下、舞):お疲れ様でしたー!
谷:舞ちゃんが踊ってるのは良くみるけどさ、振り付けしてんのは初めて見たから、、、面白かった。
舞:そうでしょうね。だって、別にアクアリウム(前回、出演した公演)で振り付けるところ無かったですもんね。
谷:まったくないね!
舞:あの時は、お芝居でしたからね。
谷:(稽古を振り返って)しかし、あなた鬼ですね(笑)
舞:休憩取らないので有名なんですよ(笑)
谷:あ、そうなんだ!!
舞:や(笑)でもなんか、マネージャーさんに、「すいません。ちょっと、休憩を(入れてください)・・・」って言われたことも。(笑)
谷:(笑)
舞:あ。ここはちょっと・・・(「カットしてください」の仕草)
谷:まぁ、後で編集してもらってね。え、なんかそれは理由があんの?休憩入れないのは。
舞:どうしてだろ?ずっとバレエを長くやってて、大体1時間半くらいのレッスンで休憩ってほとんどなくて…なんか自分が取らなかった感覚があるから、かもしれないですね。
谷:なるほど。
舞:別に虐めようと思って(休憩)取って無い訳じゃないです。
谷:(笑)バレエは何年やってたの?
舞:4歳から19歳だから15年。芝居のほうがまだペーペーです。(って言ってももう10年は経ちましたね・・・)
谷:なるほどね。どういう振りって解説したらいいんだかちょっと良くわかんないけど、なんていうんだろ、あんまり舞ちゃんのイメージにない・・・ヘンテコな動きみたいなのが入ってたよね?
舞:(笑)
谷:いや、ユーモラスな!と言ってもいいし、でも、ユーモラスなというよりヘンテコに近いようなやつ結構色々あったじゃない?あれが意外ですごい面白かったな。
舞:あぁ、ホントですか。すごい嬉しいです。
谷:どう出てくるだろうと思ったけど、その辺のユーモラスな感じがチョコチョコ入ってくるのが、すごいいいなと。
舞:わぁ、嬉しいですね。計算通りです!!
谷:(笑)あとは、運動量がスゴイなあと思ったけど…
舞:そうですね。でも、何回か座組に見学に来てて、この座組の人達なら頑張ってくれるだろうと思って・・・(笑)
谷:なんかね、実際、最後の方、みんな変なテンションになってたよね。。。なんだあの空気と思って見てたけど(笑)
舞:みんな(出演者)かわいい・・
谷:でも俺、普段のお芝居じゃ絶対ダンスとか使わないから、むしろ嫌いだ!ぐらいの…って公言はしてるんだけど、やっぱり見るといいもんだよね。なんか。
舞:私も好きです!!
谷:(笑)良く言うじゃない、なんか“舞台上で汗を流して努力してキラキラしてるの見てるとそれだけで幸せになる”みたいな。ばかやろうが!って思って見てんのに、やっぱりちょっと元気を貰ったみたいなこと言いたくなっちゃうよね、、、
舞:(今回は)過程を知ってるから、本番もっと感動できると思いますよ(笑)。
谷:あー、そうかもね。
ワタミの店員:お客さま、お待たせしました!
港谷(出演者):ハイボールを。。。
ワタミの店員:ハイボールをおひとつ!そちらと同じメガで?あ、普通ので大丈夫ですか?はい。
谷:これも収録しといて。
一同:(笑)
谷:なんか、今回のコンセプトとか、どういう事にしようと思って始めたとか、なんかそういうのってあるの?結構、稽古場で細かくメモ取ってたのは見てたけどね。
舞:私、振り付ける時は、大体構成から考えるんです。
谷:あぁー。(納得)
舞:構成ってほど、大仰なモノでもないですけれど、流れ?こうきて、こう盛り上がって、盛り上がり方がこうで、ここで感動して・・・みたいな。
で、なんかその中で、例えば物語みたいなのをちょっと作って、、、だから今回は、「河童」だから、やっぱ、水中から始まる方がいいなと。
谷:あぁー(笑)!!なるほどね!!
舞:それで、なんか場所がこう変わってって、、、で大体それが決まったら、サビのところの振りを先に全部決めちゃって、で後は、当て振りしてって・・ていう順序でやることが多いです。
谷:なるほどね、確かに、舞ちゃんフォーメーションとかすごい綺麗だなぁと思って見てたな。入れ替わったりするの面白いよね。
舞:フォーメーションは、私、今まで最大で6人の振りしかやったことなくて、今回ちょっと8人にしてやってみたんですけど、やっぱり多ければ多いほど、フォーメーション変えるのは面白い。一人、二人増えるだけで、いいなぁと思って。
谷:あれにさらにオタが入ってくるわけでしょ。(笑)すげぇエネルギー量になるなと思って見てたけどねぇ。うん。
舞:でもオタたちには頑張って貰って・・・
谷:うん、でも、ホント面白い人だよね。舞ちゃんって。(笑)いや、だってすっごいなんかさ、こう・・アーティスティックな前衛的なみたいなお芝居やったり出たり好きだったりするけど、こういう、どポップ!みたいなヤツもやるじゃん。
舞:そうですね(笑)・・・でもそうかぁ、自分の中では、あんまり(前衛も、どポップも)離れてない。
谷:いや、でもそのバランス感覚が面白いなぁと思って。
舞:そうですか?・・・でも、たまに自覚するのは、お客さんが変わっちゃうっていうので自覚する時はあります。
谷:お客さんが変わっちゃうってのは?
舞:なにかのお芝居で「すごい良かったです!!」って言ってくださるお客さんがいらしても、別のお芝居に出演すると「このお芝居は好きじゃない・・」っていう・・・
谷:あぁ、それはあるだろうね。
舞:そういう時に、あぁこっちのお芝居は(このお客さんには)合わないんだなぁとか・・・で、自覚する時があります。
谷:まぁね、多方面で活躍されてらっしゃいますからね!!
舞:わー!嫌な言い方!(笑)
谷:これはネタバレな気がするけど、◯◯◯◯の選抜基準みたいなヤツってあるの?
舞:あぁー!えっと、最初、えと女子だけにしようと思ったんですけど、あ、役柄的に入れない女子以外で考えたんですけど、谷さんと電話をして、後ろをバックダンサーじゃなくてやっぱり観客(オタ)にするっていうので心を決めたので、、、だとしたら、なんか、観客が男だけで、◯◯◯◯が女だけなのは嫌だなと思って。で、男の子入れようと思って。で天羽君は踊れるなっていうのは、(長谷川)寧君のワークショップを見て分かってて、多分◯◯◯◯の振りとかも得意だなって。
谷:(笑)
舞:だから天羽君入れようと思って。他のお三方(伊藤・長谷川・堀川)の振り動画とか見て、「あ、ナカヤマさんは、今人さんので結構フューチャーされてるな」と。
じゃ、(◯◯◯◯からは)抜こうってして。で、澄人君は、最後まで悩んだんですけど、これも寧くんのワークショップの時に見て、彼、バレエが踊れるんですよ。
谷:うん、そうだね!
舞:で、なんかあの体格でバレエが踊れるって、たまらなくて・・
谷:まぁそうだよね!!(笑)ギャップがすごいよね!!
舞:うん、たまらない!って思って、で、それもお三方の動画見たら、「あぁ、まだ澄人君バレエ踊ってないぞ!」と思って。じゃ、ここで!って思って。
谷:あぁ、そっかそっかなるほどね。おれ、詳しい事よくわかんないけど、あの振りには、結構バレエ要素が入ってるの?
舞:私は、バレエしかやってないので、基本的に振りは、全部動きの動線とかは、バレエのモノで出来てると思う。
谷:あ!動線もバレエみたいなヤツがあるんだ!
舞:バレエはすごく決まりの多いダンスなので。
谷:バレエっぽい動線みたいなのがあるの?
舞:そう、こういうのとか(手を動かす)は完全にバレエの動線だし、、、
谷:こんなんやってたじゃん(振付に入っていた、バレエっぽい振りをやってみせる。)
舞:手を出す時に、例えばなんかこう出さないで、こういう風にだすとか(谷にやってみせる)、、、多分こういう動線とかも結構バレエから来てる。
谷:あぁ、そうなんだねぇ!へー。でも、だからなんか最後こんなんなってたじゃん(振付に入っていた、バレエっぽい振りをやってみせる。)俺、踊れないけど・・・
一同:(笑)
谷:あれとか、舞ちゃんが踊ると綺麗なんだよねぇ。
舞:あれは完全にバレエの動線で全部作ってて。
谷:みんなあれ揃ったら奇麗だね!
舞:そうなんです。あそこは、◯◯◯◯◯を使って踊るので、◯◯◯◯◯の動きに視点を持っていけば、あとはうまくまとまるかなと思ってます!!
中林舞さんは今後の予定は以下の通りです!是非チェックしてみてください。
・範宙遊泳『インザマット(ただし太陽の下)』2014年8月9日(土)〜17日(日)@こまばアゴラ劇場
・eyes plus冨士山アネット/Manos.『醜い男』
原作:マリウス・フォン・マイエンブルク 翻訳:林立騎 構成・演出・振付:長谷川寧
2014年9月5日 (金) ~ 2014年9月16日 (火) @東京芸術劇場アトリエイースト 他 http://fannette.net/
(まとめ:若林えり)

中林 舞 なかばやし・まい
俳優/振付師
2004年の旗揚げから2012年迄
快快[FAIFAI]の主要メンバーとして活動。海外公演含むほぼ全ての作品に出演。
近年の主な出演作に
LAUSU「青年Kの矜持」演出:千葉雅子
ニッポンの河川「大きなものを破壊命令」演出:福原充則
DULL-COLORED POP vol.13「アクアリウム」演出:谷賢一
柿喰う客 女体シェークスピア#004「失禁リア王」演出:中屋敷法仁
範宙遊泳「さよなら日本-瞑想のまま眠りたい」演出:山本卓卓
FUKAIPRODUCE 羽衣「サロメ vs ヨカナーン」演出:糸井幸之助
「祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~KERAversion」演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
「時計じかけのオレンジ」演出:河原雅彦 等
振付師としては、
でんぱ組.inc/BiS/Ray/むせいらんなどのアーティストに振付を提供。
現在はアイドルグループ、"バンドじゃないもん!"の振付を担当している。
クラシックバレエが源流のアクティブな振付に定評がある。